至高のバイク乗り、それを体現できる唯一無二のモッタサイクル。
それがSUZUKIアドレスV125。
出会いは10年以上前、阿蘇山に程近い場所でコーヒーブレイクしていたときだった。
ダダダダダダダッ!と、いかにもキャブチックな音を響かせて、私のすぐ隣に、
乗り込んできた1台のツアラーバイク、それがSUZUKIアドレスV125だった。
メットを脱ぎ、ニカッと微笑んだ、ビューティフルサンデー、
オーナーは立派なカイゼル髭を生やしたオールバックの老紳士だ。
「やあ!いい天気ですね。それはあなたのモッタサイクル?ふうん、カワサキの・・・・
ああ!ニンジャだね!GPZ900。うん、思い出した。はは、ダサいね!」
脳天を無反動ハンマーで思い切り殴られたような気分になった。
直後、これまでの全人生をぺしゃんこに踏み潰された、そんな感情が沸き起こった。
「それにそのいでたち。革ジャンの上に袖のないGジャンか。何のつもりなんだ?
漢を気取っているんではなかろうね?男カワサキ・・・モッタサイクルを1番
わかってない輩がそいういうことを言うんだ。本物を知る男が最後に行き着くモッタサイクル。
それがSUZUKIアドレスV125なんだよ」
10年経ってようやくわかり始めた。昔の愚かな仲間とも縁を切った。
SAで通りすがりのあっち側の人間から、
「すごいバイクですねえ。100馬力くらいあるのかい?」
そう言われる度に、目をつむって伏せ目がちに
「はは・・・まあ、そんなところですかねぇ・・・」
などという、キザでバカな芝居もやめた。
行き着くところアドレスV125。至高のモッタサイクル・・・。
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