シャープの戴正呉(たいせいご)社長は14日、朝日新聞のインタビューに答え、
2018年にも液晶テレビの国内生産から撤退する方針を明らかにした。
三重県亀山市の亀山工場でつくったテレビは「世界の亀山ブランド」として
一時代を築いたが、近年は採算が悪化していた。「アクオス」ブランドの
テレビ生産は親会社の鴻海(ホンハイ)精密工業(台湾)に任せる。
シャープの国内テレビ工場は現在、亀山と栃木県矢板市にある。
年間の生産台数は非公表だが、計数十万台とみられる。04〜12年には
「世界の亀山ブランド」と銘打ち、ライバルメーカーが海外にテレビの
生産拠点を移すなか、高品質の国産テレビを売りにしてきた。
だが最近は生産設備の老朽化が進み、中国など海外工場に比べて効率的に
生産できなくなっていた。戴社長は「国内では無理。海外生産しないと、
シャープの液晶テレビが売れなくなってしまう」と話した。
国内は開発や試作、アフターサービスなどに絞る方針だ。
約2千人が働く亀山工場は今後、スマートフォンやタブレット向けの
中小型液晶パネルの生産に集中する。栃木工場の従業員約760人のうち、
生産部門の約100人は既に営業部門に配置転換したという。
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