シャープと韓国サムスンとの関係は長きにわたります。 
   サムスンは商社から始まって、電器産業に進出したが、半導体の開発で行き詰った。   
 それで、李健熙さん(現会長)がわざわざ訪ねてこられた。1970年ごろのことです。 
  当時、日韓定期閣僚会議が始まり、両国間で提携の機運が高まっていました。   
 ところが、日本電気の小林(宏治・元会長)は、「韓国は技術を盗んでいく」と警戒感をあらわにしていた。 
 困った李さんが、「何とか小林さんを納得させてほしい」と。(中略)   
  それ以降、李さんが頼りにしてこられるんです。半導体の開発にしても、 
 「佐々木さん、辞めてこっちへ来ませんか。 
 韓国籍にならんか」とまで言う(笑)。 
 じゃあ、僕がシャープを説得するから、頭を下げて技術を教えてくださいと言ってくれ、と。(中略)   
  そうなると欲が出る。「今度は液晶を教えてくれ」と言ってきた。僕は断った。 
 「依頼心はサムスンを殺す」と。李さんは納得してくれたが、その部下になると、そうはいかない。盗んででもやるんだ。(中略)   
  そのときも、私個人は、「与えられるものはどんどん与えて、感謝してくれればいい」と思っていた。 
 少なくともシャープの味方にはなるだろうとね。 
 ところが、李さんがトップを離れた時期に、サムスンがシャープを相手に特許訴訟を起こしたんです。
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